「痩せるなら泳いだ方が良いですか?」
スポーツジムで働いていると、この様な質問を多く頂きます。
ネットや本でも水泳はダイエットに効果的などの情報をよく見かけます。
結論は『人による』です。
例えば、プールでなんとなく泳ぐのと、ランニングマシンで必死に走る人が同じカロリー消費なはずはありません。
大切なのはどのように活用するかと言うことです。
今回は、ダイエットで水泳を取り入れたいと思う方に、なぜ水泳が良いと言われるのか、痩せる水泳のポイントなど含めてご紹介致します。
水泳が痩せると言われる訳

まずなぜ、水泳はダイエットに良いと言われるかについて考えていきましょう!
水中と上陸の違い
1・抵抗が大きい
これは当たり前ですが、水中では陸上と違い造波抵抗、渦抵抗、粘性抵抗など様々な抵抗が発生します。もちろん陸上でも空気圧を受けていますが、空気と水では粘性が全くことなるため、とても動きずらさを感じます。
また早く動こうとすればするほど、抵抗は大きくなります。これを利用することで、全身にバランスよく抵抗をかけて運動することができます
2・浮力の存在
海やプールで遊んでいて、身体が軽いと感じたことはありませんか?
水中では、重力と逆の上方向に浮力という力が発生します。お腹までの深さでは、約半分くらいの重さしか感じません
3・水圧
水中では止まっているだけでも、身体は水圧を受けています。
よく深海の魚が、水揚げされてパンパンに膨らんでいるのと逆のことが行っているのです。身体は締め付けられている状態に近く、着圧のタイツを着ているイメージです。
その水圧の効果で手足など末端の血液循環は促進されますが、逆に肺は広がり辛くなるため息苦しさを感じ人もいます。
4・水温
基本的にプールは水温を27,8度前後で、管理されているため入水したときは冷んやりと感じます。しかし、動いているとすぐに身体が熱くなるのを感じはずです。
これは、身体が水に体温を奪われてしまった分の熱を作ろうとするからです。
運動よって消費するエネルギーと、熱を作ろうとするエネルギーのダブルでエネルギーを消費します。
以上のように、水中では陸上の運動とは異なることが起こっています。
では、次に環境の違いによるメリット、デメリットを説明したいと思います。
水中でのメリットとデメリット

ここからは実際にどのようなメリット、デメリットがあるかお伝えします。
メリット
まずメリットは、浮力の効果によって体が軽くなることです。怪我や手術などで膝に痛みのある方や、高齢の方で足腰が弱っている方の運動には最適です。
また水圧によって体中の血管が圧迫されることで、血流が促進されます。これは冷え性や、むくみの改善に効果があります。その上、血流が良い状態で全身運動をすることで、通常の運動よりも消費カロリーは多くなります。
- 怪我や痛みがある人のリハビリに向いている
カロリーを消費しやすい
全身運動になる
血流促進
デメリット
逆に水中でのデメリットもあります。
まず女性に起こりやすい冷えです。本来、体は冷えてくると体温を維持しよう熱をつくります。ただし、熱を作るためにはある程度の筋肉が必要です。女性より男性の方が体温が高いのは、この理由です。筋肉の少ない方は、熱を作ることが間に合わないため体調不良を起こしやすいので注意しましょう。
次に下半身の筋量低下についてです。人によって筋量低下が起こる場合があります。水中では浮力によって体が軽くなるとお伝えしました。これは、別の力にたよって動いているとも言えます。よって普段から走っている方、下半身をしっかりトレーニングしている方が水中での運動を優先すると筋量が減る可能性があります。
最後に水中での怪我についてです。特に水中ウォーキングなどで、気づかないうちに捻挫している場合があります。水中は思っている以上に滑りやすいため、水中で歩く場合は滑り止めの付いた水中用ソックスなどの使用をお勧めします。
- 冷えやすい
下半身の筋力低下
転倒の危険がある
以上が水中で運動するときのメリットとデメリットです。両方ともしっかり理解して、行うことで効果的な運動を目指しましょう。
泳ぐより〇〇がオススメ
次は水中でのお勧めの運動を紹介したいと思います。
まずダイエットを目的としたとき重要なカロリー消費を比較したいと思います。
今回は初心者の方でも行いやすい、平泳ぎ、クロール、水中ウォーキングで比較していきます。
消費カロリーは以下の様に計算することができます。
【消費エネルギー(kcal)=メッツ×体重(kg)×時間(h)×1.05】
メッツとは運動の強度を表す値で、運動によって決まっています。今回は平泳ぎ5.3、クロール8.3、水中ウォーキング4.5として計算します。
体重50kgの人が15分間おこなうと以下のようになります。
平泳ぎ:139kcal
クロール:218kcal
水中ウォーキング:118kcal
水中エアロ:124kcal
単純なカロリーだけを見ると、クロールが一番効率的な運動だと考えられます。
ただし泳ぎは人によってばらつきがあり、スピードによって強度は変化します。そのため安定して行える水中ウォーキングをお勧めします。効率よりも安定した継続が大事だと覚えて下さい。

プールでの注意点

最後にプールでの注意点をお伝えします。
体調管理
プールでは、水から上がってから身体を冷やし過ぎて体調を崩す方が意外と多くいます。ジムによっては、採暖室が設置されている場所もあるので、利用するクセをつけましょう。
また体調が優れないときは無理せず、休みましょう。
水分補給
プールでは、身体の表面は水に触れているため水分不足を感じにくくなります。喉の渇きを感じない人もいますが、運動によって確実に水分が失われています。
身体の中は乾いていますので、水分補給をしっかりしましょう。
以上、「ダイエット初心者が水泳を始める前に知っておくべきこと」でした。今回の記事があなたの健康的なダイエットのヒントになれば幸いです。